耐用年数の短縮(企業会計)
- tsaekiaim
- 2022年1月21日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年7月25日
こんにちは!代表の佐伯です。
コロナウィルスが蔓延し大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃると思います。実際、私の所にもお店を閉店したいけどどのような会計処理が必要かといった質問が来ています。その質問に答えていく中で検討をした耐用年数の短縮について今回は取り上げてみようと思います。
閉店の意思決定をした場合、空調設備など一定の頻度で更新する固定資産は減価償却の途中で処分することとなります。このような状況における減価償却計算に与える影響を考察します。例は以下の通りです。
例
【お店の概要】
ハンバーガーショップ・サエドナルド
決算:2020年3月31日
開店:2015年4月1日
閉店:2020年3月31日
→2020年1月4日開催の取締役会決議にて会社のスクラップアンドビルドの計画の一環で2020年3月をもって閉店することが承認された。
【固定資産】
空調設備
取得価額: 1,560,000円
取得日(事業供用日):2015年4月1日
耐用年数:13年(156ヵ月、経済的耐用年数)
上記の場合、2020年3月期の減価償却費はいくらになるでしょうか。まずは計算してみましょう。
期首帳簿価額:1,080,000円=取得価額1,560,000-(1,560,000÷156ヵ月×48ヵ月)
2019年4~12月の減価償却費:90,000円=1,560,000÷156ヵ月×9か月
2020年1~3月の減価償却費:990,000円=(1,080,000-90,000)÷3ヶ月
計算の結果、減価償却費1,080,000円となり全額が償却されたこととなります。
なぜ上記の計算になるかについて会計基準に照らして検討してみましょう。
企業会計基準第24号40項では「会計上の見積りの変更の事例としては、有形固定資産のに関する減価償却期間(耐用年数)について、生産性向上のための合理化や改善策が策定された結果、従来の減価償却期間と使用可能予測機関との乖離が明らかとなったことに伴い、新たな耐用年数を採用した場合などが考えられる」とされています。
上記の例のように取締役会決議によって閉店の意思決定がなされたことに伴い、当初13年(2028年3月31日までに)で減価償却を行うことを想定していたものの、2020年1月4日に2021年3月31日に閉店することが決定したため減価償却を2021年3月31日まで実施することが必要となりました。
その結果、2019年12月までの期間は当初の耐用年数で減価償却を実施し、閉店までの3ヶ月で2019年12月末時点の残存簿価を償却する必要があります。
なお上記、耐用年数の短縮は企業会計上の取扱のため税法上の取扱いは相違しますので、別の記事で紹介させて頂きます。(時期未定)
※当サイトの情報の正確性について
当サイトのコンテンツや情報において、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めています。しかし、誤情報が入り込んだり、情報が古くなったりすることもあります。必ずしも正確性を保証するものではありません。また合法性や安全性なども保証しません。
Comments